何が俺をこんなに熱くさせる?

キャラクター考察が主食のオタク

アイドルへの関心が深まっていくまでの話

まず断っておくが、私はアイドルジャンルの人間ではない。2次元〜2.5次元が主な活動範囲であり、それらを捨ててジャニオタとして生きる事は出来ない、ジャニーズは永遠ににわかとして楽しもうと心に決めている。
ただ、あまりに衝撃的な出会いが続いて頭がおかしくなりそうなので、ここに経緯を綴り心の整理をしようと思った次第である。


事の始まりはかなり遡る。
私の青春であり血肉であるテニプリを共に通った友人Kが、うたプリにハマった。ご存知、2次元男性アイドルものの火付け役である。
当時私は戦国BASARAから入りたての歴オタ街道を走っており、彼女ヘタリアとかだったのに毛色違うのにハマったな〜くらいにしか思ってなかった。
友人Kとはキャラ解釈の合致がきっかけで仲良くなった事もあり、よく討論をする。おかげで私の好みは把握されており、マーケティングにも余念が無いタイプのオタクだ。以前片霧秋兵が絶対好きだからと貸してくれた遙か6やって、その通りドストライクすぎて怖くなった事がある。そんな彼女に「諏訪部さんだからレンは気になるよ」と話をしたら、「レン絶対すきだから!!!」とゲームを押し付け貸してくれた。とりあえず全員攻略してみる。神宮寺レンでめちゃくちゃ泣いた。
嘘でしょ……ただの女好きかと思ってたのに、アイドルだった亡き母親への想い、御曹司ゆえの家族との軋轢や三男というコンプレックス、それらを抱えてアイドルとしての自分を確立させようと頑張っていて……レディたちへの時間は平等にと言ってたレンが春ちゃんのためだけに不器用にセッティングした2人だけのクリスマスパーティ……最高かよ……
興味が出たら理解は早い。友人Kの考察を聞いたり私の意見を出してみたりドルソンを聞いてみたり。ここで覚えたのが「アイドル哲学」だ。アイドルとしての自分=本人は必ずしも成立せず、アイドルという偶像を彼らがどうやって自己プロデュースして見せているか、という考え。私にはなかった見方だったので興味深く、すぐにその面白さに魅せられた。
そして出来上がったのが、うたプリの人ではないけどめちゃくちゃこだわりを持ってるオタクの私だった。なぜこんな面倒臭いオタクが生まれてしまったのか。友人Kには「なんで…うたプリ来てよ…」と言われた。ほんとごめん。


アイドル哲学を手に入れた私はアイドルものの楽しみ方を覚え、それなりに嗜んでいた。ふと気づくと、友人Kはうたプリどころかジャニーズの追っかけに目覚めていた。
テニミュに青春を捧げた者として、3次元に対する熱意は分かる。しかし私の中で2次元と3次元は同じ萌えではない。彼らはキャラクターではなく私と同じ人間なので、考察を当てはめるという考えが全くなかった。だからまた遠いジャンルに行ったんだな、と思っていた。
ある日、友人Kは「コンサート見て!ドリライみたいだから!絶対中島裕翔くん好きだから!」とHey! Say! JUMPのコンサートDVDを持って遊びに来た。Hey! Say! JUMPって山田涼介がいるメンバーが多いグループでしょ?くらいの知識しかない私だったが、ドリライと言われるとじゃあ見てみようかなと思うのがテニミュを通った人間の素直さである。
あのねぇ、めちゃくちゃ楽しかった。
ジャンルが違うだけでドリライと何ら変わらなかった。コスプレしたりアホしたりスーパーかっこよかったり日替わりセリフがあったり。そして彼女の言うとおり、中島裕翔くんにコロリと落ちた。
見た目が好みなのは言わずもがなだが、驚いたのはここに至るまでの2次元みたいな境遇である。詳細は省くが、彼は絶頂から叩き落とされ挫折した上、その理由となった山田涼介くんがセンターを務めるグループに所属しているのである。
しかも裕翔くんは投げキッスやウィンクなどの所謂アイドル的な仕草を恥ずかしいと思っているが、彼は「アイドルとしての自分」の時は抵抗なく出来るのだという。それを初めて読んだ時はあまりの事に脳内処理が追いつかず混乱した。何それ???2次元か???それ2次元だったら私は同人誌かいてるよ。
そこで気付く。そうか、2次元も3次元も関係なくアイドル哲学は存在し、ドルオタとして生きる友人たちは皆それに夢中になって追っかけているのだと。3次元のアイドル哲学に目覚めた私はまず思った。中島裕翔くんがアイドルしているところをナマで見たい。



2016年、Hey! Say! JUMPのコンサートツアーが私の誕生日8/14に横浜でやることを知った。チケットの入手方法を調べるが、FCに入らなければ絶望的であるらしい。せっかくなら誕生日に行きたい。しかしFCに入る気は無い……諦めるしかないか。
ここで手を差し伸べてくれたのは既にジャニオタとして活動していた友人Aである。彼女は2次元+声優オタだったのにいつの間にかNEWSをきっかけにジャニオタになっていた。
「そんなに興味持ってくれたなら見せてあげたい。応募するから名義を貸して。」
即OKした。見に行けるなら何でもいい。1回だけでいいから見ておかないと絶対に後悔する。そして見事、私の名義が誕生日コンサートに当選したのである。
しかも初参加の私のために友人Kが「裕翔くん 誕生日なのでハート下さい♥」といううちわを作りプレゼントしてくれた。ジャニオタの手先の器用さがすごい。初めてのうちわ、初めてのジャニーズ、決戦である。
2016.8.14、横浜アリーナのスタンド席で、スタトロに乗った裕翔くんにハートとウィンクのファンサを貰った。
正直これでぶっ飛びすぎてコンサート内容をおぼろげにしか思い出せない。こちらに思いきり手を伸ばしてくれた裕翔くんの片手ハートとウィンク。筋肉がマヒして手が硬直し、声が出なくなった。メデューサかな?
テンパる私に爆笑しながら良かったね!と喜んでくれる友人A。本当にありがとう、あなたが声をかけてくれたお陰で私は裕翔くんのアイドル姿を見られたし、ファンサを貰えたのだ……うちわをくれた友人Kもありがとう……臨死体験が出来たよ……。
ここまで来るとは思いもよらなかった。またコンサートに行きたいと思い始める。1回でいいとか言ってなかった?アイドルとは怖いものである。
ただ、この時点で最初に書いた「ジャニーズに入れこまない」の誓いを心に決めていた。FCには入らない(名義はもう貸してるけど)、雑誌を買い漁ったり番組を録画して追っかけない。ただ裕翔くんをそっと応援するにわかでいると。その代わりちょっと高騰していたが過去のコンサートDVDは買った。お金は落とした、後悔はない……。



ジャニーズの面白さを知った私、ジャニオタたちにダイマを受けまくる。その中で特に面白かったのがSexy Zoneだ。
見せてもらったのはCD特典のバラエティ映像だったのだが、トークがめちゃくちゃ面白い。ラブホリ王子の名で知っていた中島健人くんは意外と冗談言わないんだなとか、マリウス葉くんの絶妙に「??」な受け答え可愛いなとか、菊池風磨くんはアイドルの割にトークがゲスいなとか。アイドルというよりいい意味で頭のおかしいタレント集団って感じだった。
そんな中、中学からの友人Hが健人くんにハマり、Sexy ZoneのFCに入ったと教えてくれた。私が散々「中島裕翔くんがヤバくて……」と言っていたから、教えてくれたのだろう。そして当たり前のように誘われた。次のコンサートに一緒に行かないか。
ジャニーズコンサートの面白さを知ってしまった。Sexy Zoneは好きだ。行かないわけないだろう。そしてつい先日、5/4、初めてのSexy Zoneのコンサートに挑んだわけである。


今回は新規2人だけでの参戦だったため、うちわは作らなかった。友人Hは公式の健人くんうちわを買い、健人くんの担当カラーである青っぽい服に身を包み臨んでいた。引き換え私、とんだラフな格好と気持ちでの参戦である。
確かにSexy Zoneは好きだが、裕翔くん並かと言われればNOである。とりあえず風磨くんは好きなので、紫ペンラを振って楽しむか〜くらいの呑気さでいた。さて開演だ!ワクワク!


私は気づくと佐藤勝利のために赤いペンラを必死に振っていた。


自分でも何が起こったか理解できなかったが、途中から「赤を振らなきゃ……!!」という謎の使命感に駆られていた。コンサートDVDどころかPVも見たことがなかったのでパフォーマンスを見るのは初めてだった。セクシーな仕草でファンを沸かせる健人くんや風磨くん、カワイイ系かと思えば合間に見せる男性みで翻弄してくるマリウスと聡ちゃん。それら4人の真ん中に立つ勝利くんは、とにかく真っ直ぐだった。顔面力がピカイチなのだから肩出ししてセクシーさを武器にしてもいいのに、全くしないガードの固さ。興奮した。とにかく自分の仕事を全力でこなそうという真面目さが垣間見えた。MCは以前映像で見たようなクソトークを展開され、圧倒的にツッコミが足りていないメンツに1人でツッコミを入れていく。楽曲の途中、甘い(?)セリフを1人ずつ言っていくが、みんな取り留めのないことを言うので「設定が分からない!!」とマジレスする勝利くん。嘘だろ?推すしかない……。
私が中島裕翔くんを好きな理由の一つとして真面目である事が挙げられる。彼はアイドルという仕事を好き嫌い得意苦手関係なく、全てに真面目に黙々と向き合っている印象だ。あと裕翔くんも結構マジレスクソ野郎なところがある。
それとコンサートを見ながらふと、以前TVで勝利くんは最近父親を亡くしたと報道していたのを思い出していた。私より年下の子が親を亡くし、それでもアイドルとしての険しいだろう道を歩み続けている…。何かもうとにかく幸せになって欲しい…。



思っていた以上の気持ちでコンサートを終えた。まさか裕翔くん並に推せるアイドルがまた出現しようとは。ちなみに友人Hにコンサート中に推し変したのが速攻バレていた。恥ずかしい。
FC入会を進められたが鉄の意思でやめた。にわかライト勢であることは絶対にやめない。でも友人Hに「多分夏にまたソロコンあると思うけど、勝利くんの行く?」と聞かれ咄嗟に「ちょ、考えさせてほしい…あの…日程出てから…」と答えていた。意思グラついてますね。だからこういうのを書きました。

ここまでアイドルの見方を変えられ、ジャニーズの良さに目覚めるとは、人生何があるか分からないものである。
今はここに吐き出せたことで落ち着きを取り戻しつつあり、最初の誓いを破らずに済みそうである。よかった。裕翔くん、勝利くん、そっと応援しています。



でも多分今回のコンサートDVD買うわ。