何が俺をこんなに熱くさせる?

キャラクター考察が主食のオタク

跡部景吾が仁王雅治の誇りを認めた

徳川vs平等院戦まででお腹いっぱいになっていたところを、テニミュ運動会に行って興奮した勢いで遅ればせながら最新27巻まで読破した。
それはそれはずっと泣きながら読んだ。なぜ私はこんな素晴らしい漫画を積んでいたのだろう?


vsGenius10初戦で跡部景吾仁王雅治がダブルスを組んだ。
私の敬愛する跡部景吾氷帝学園3年テニス部部長、飛び抜けた技術と持久力、持ち前の動体視力インサイトを駆使した技で相手を踊らせ、勝利を勝ち取るオールラウンダープレイヤー。
対する仁王雅治立海大附属3年、コート上のペテン師と呼ばれ、変装し入れ替わったりイリュージョンと呼ばれる技術で他選手に成りすまし相手を欺いて技術的精神的にも翻弄するトリッキーなプレイヤー。
同じ3年生、同じ175cm、泣きぼくろと艶ほくろ(口元のほくろをそういうらしい)コンビなど、共通点はあるがろくに絡んだこともない2人である。

対戦相手は氷帝OBで元部長の高校3年越知月光と立海OB高校1年毛利寿三郎。氷帝立海コンビ対決となったこの戦い、いやホントにイイんだ。





仁王は手塚にイリュージョンし、さながら手塚と跡部のダブルスとなる。仁王は零式サーブや手塚ゾーンなど、全国大会では模倣しきれてなかった技を繰り出し、高校生に食らいついていく。
全国大会ではその不完全さを見抜かれ不二に敗れた仁王。不二は「君は手塚の足元にも及ばない」と言い放ち、真田さえ「所詮ピエロ」と厳しい言葉を投げかけた。それでも仁王はプレイスタイルを変えなかった。それどころか、引退になっているはずのこの時期に、技を磨いてきているのだ。えっ、あの、何事にも興味無さそうで、熱量の低い、授業もサボり気味の仁王くんが……?
しかもそれだけではない。激戦の中、越知の能力によりショットが決まらなくなり焦り始める跡部をカバーするため、仁王は手塚ファントムを連続で繰り出していく。身体を酷使するファントムですり減っていく選手生命をも見かねて跡部は制止するが、仁王はこう言い返すのだ。








跡部よ……俺は誰ぜよ?」
手塚国光なら最後まで諦めない」










に、に、仁王くーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



あの、必要以上無理をしない仁王くんが?!ペテン師のプライドにかけて手塚国光の精神すら模倣して、勝負にしがみついている?!!???!無理やろこんなん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
SQ派だった当時読んでも衝撃だったが改めて読み直しても同じ気持ちが蘇る。それくらい好きな試合だ。結末はぜひ読んで欲しい。





さて、こんなに盛り上がっておきながら実はここからが本題だ。

Genius10戦後、舞台はU-17W杯へと移る。中高生入り乱れた選抜チームが日本代表として世界を相手にする大会の途中、ひょんな事から跡部はオーストラリア代表と因縁を持つことになる。迎えたオーストラリア戦。キャプテンとして意気込む跡部は、仁王&不二のダブルスを送り出した。
オーストラリア代表には盲目の司令塔がいる。視力と引き換えに手に入れたその戦略はまるでチェスのように日本代表を追い詰めていく。オーストラリアの高速サーブTachyonでじわじわと体力を削られていく日本。しかし、仁王は頑なにイリュージョンをしない。仁王は持久戦に弱く長引かせれば潰せると戦略を立てたオーストラリアは、トドメに超高速サーブNeutorinoを打ち込む………と、ほとんど動けなかったはずの仁王が、返した。相手の対応できない死角を狙って。
「奴は最初っから、持久戦が得意ぜよ」
なんと、跡部と仁王は入れ替わっていた。最初から、跡部と不二のダブルスだったのだ。


あ、跡部様が仁王くんのペテンに加担してる?!!??!


あの跡部様だぞ?!様々なプレイヤーの技を模倣し繰り出す無我の境地を「そんなテニス」と一蹴した、あの跡部景吾がだぞ?!
跡部は誇りを尊ぶ。自らを磨き抜く故に自身のプレイスタイルに自信と誇りがあり、同じような選手を決してバカにはしない。つまり、跡部は仁王と組んだあの試合でペテンを彼の誇りだと認め、絶対に勝ちたいオーストラリア戦で採用する事で手札を隠し、真っ向からチェス対決に挑んでいる?勝つための戦略として?!アツイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スタンスが違う二人をよく組ませたなと思っていたあの試合から、まさかの続きがあると思わず手が震えた。真田ならまだしも、仁王のテニスを跡部がここまで認めるとは思ってなかった。この試合、日本の勝利になるのだが、無事に因縁を果たした試合後の跡部が本当にかっこいいのでぜひ読んで欲しい。
あとあえて高校生や海外勢の説明は省いたが、皆とてもいい。個人的にはフランス代表がおすすめなので、新テニスの王子様、お読み下さい。