何が俺をこんなに熱くさせる?

キャラクター考察が主食のオタク

アイドルとしての存在意義の話

今年の春から夏にかけて、私はウルトラマンメビウスを履修していた。一つ一つの人間関係の構築やキャラの掘り下げが丁寧なこの作品の中で、何度も見返してしまったシーンがある。
第30話「約束の炎」。
メビウスのパワーアップ回であるこの話において、メビウス/ヒカリから、自身のルーツについて語られる。



「ある時偶然に僕らの一族は、ウルトラマンの力を手に入れました。 それは決して望んで手に入れた力ではありません。……でも力を手に入れたという事は、 果たすべき何かがあるはずだって考えたんです。」






…………………………


…………………………


勝利くんじゃん………


決して望んだ立場では無かったけれど、授かったからには果たすべきことがあるはずとアイドルである事に向き合ってきた、勝利くんじゃん…………



そんな彼のアイドル人生も本日で丸11年。同時に25歳となった。入所日、そしてお誕生日おめでとう。ついに勝利くんまでもがアラサーに手をかけてしまった。思えば、私が勝利くんのファンになった時、彼は20歳だった。つまり私のジャニオタ人生も5年目となる。恐ろしい。5年も彼をヒーローと同一視している狂ったオタクである事は今後も恥じたい。性癖は治せないのでせめて恥を忘れずに……
ハマりたての約5年前、ちょうどグループ5周年という事もあり、調べていく中で明るく可愛いだけでは無い話もたくさんあった。その中で特に心に残っているのが、「ザテレビジョン」の連載『Sexy素ナップ』5周年特別編。未だにそれの原本を持っていない事を悔やんでいるのだが、有難くも先人たちのおかげで大まかなインタビュー内容は把握している。その中でかなりえぐられたのが次の発言だった。

ファンのみんなは5人を見てるけど、僕は4人を見てキレイだなって思うの。シンメとかさ。僕から見える景色は本当にキレイなんだよ。そこに自分が絶対に必要かどうかは…どうなんだろう。まぁ、呼ばれないわけはないだろって思ってるけど(笑)


自分が必要かどうかを濁す彼の思いに震えてしまった。時折言葉の端々に見えるアイドルとしての自信のなさに、そんなことないと、私はコンサートでほぼ初見の勝利くんを見て雷に打たれてファンになったのだと叫びまわりたいくらい。ほのかな孤独感すら感じて、今でもかなり心に残っているインタビュー記事なのである。
あれから5年。『Sexy素ナップ』も10周年記念インタビューが始まった。今年は必ず確保してやろうと息巻いていた私の期待通り、トップバッターは勝利くんだった。そこで彼は、こんなことを語っていた。

デビュー間もない頃はシンメというか、つるんでふざけたい気持ちもあったけどね。今思えばシンメでうまくやるタイプじゃなかったな(笑)。誰とシンメとかじゃなくて、僕にはメンバーがいて一人じゃない。それぞれが1番を目指して、5人でSexyZone、そう思ってた。いろいろありまして、いろんなことを経験し過ぎて、いつの時代も”5人で”ってことを考えてきた気がする。そういられるためにはどうしたらいいかをずっと考えていた。

引用元:ザテレビジョン2021年10/29号より一部抜粋


か、か、かわってる・・・・・・・
2組のシンメが美しくて、そこに自分が必要か分からなかった勝利くんじゃない……「2つのシンメ」と「自分」ではなく「5人のグループ」がすべてで、そのために自分は進んでいるんだという意志……。
しかも同誌では「帝劇の舞台を自ら降りた」という驚きのエピソードまで飛び出る。帝劇のセンターに立つという重大さを理解しているからこそ、自分にはまだその実力も体力も足りてないと自ら降りていた……これは兼ねてからのスペオキエピである『ジャニーさんが勝利くんの出ないジャニアイの打ち合わせに彼を呼んで「Youは出ないの?」としょんぼりしていた』の答え合わせではないか……。ジャニーさんはその中で成長する姿も良しとしていたと思うのだが、自らに厳しい判断を下したところも、それを久しぶりの舞台仕事が来た今年に話してくれる口の固さも、何とも彼らしいなあと納得してしまうのである。

彼の自信のなさゆえのエピソードは、今年のMOREにて掲載されたSexyZone10周年記念インタビュー「DEEP DIVE INTO THE ZONE」でも語られている。

デビューするということは、グループ名の看板を背負い、表舞台で勝負すること。もちろん、何をするにも評価が伴うようになるわけで。そこで、僕は自分が何もできないということを痛感することになるんです。


求められることに答えることができない。柔軟に対応できない、まともな芝居ができない。それはもう、かなり落ち込んで。


できないことがたくさんある、それを自覚するようになってからはグループの中での意識も変わりました。ひと言で言うと"攻撃"ではなく"守備"に回るようになったというか。メンバーはよく僕のことを"SexyZoneのバランサー"と言ってくれるんですけど。それは、僕にできることがそこしかなかったからなんです。それが正解だったのか不正解だったのか、今でもよく分からないけれど……。そうすることで、自分がグループにいる意味を、存在意義を、つくりたかったんだと思うんです。でも、それが少し行きすぎてしまったというか。


引用元:MORE 2021年9月号より一部抜粋
https://more.hpplus.jp/odekake/entame/70163/1/

とにかく何も出来ないことに落ち込んでグループの守備に回り、それが行き過ぎてどんどん臆病になっていった……うううん、わかる。ケンティーにベタベタだった幼い勝利くんが、頼っちゃいけない自分でなんとかしなきゃいけないと焦り距離をとるエピもこういう事なのだな。そんな彼が何を思いどう10年を過ごしていったのか、そして今何を思うのか、MOREの記事は全文引用したいくらいめちゃくちゃ食らったので是非上記のURLから読んで欲しい。




私がファンになってから5年、その間もその前からも彼がアイドルとしての存在意義と何度も口にするもの、それが「SexyZone」。自身が評価されたいからではなく、「SexyZone」の一員として4人とともに戦いたいから、彼は努力を続ける。
最後に、MOREにて掲載された勝利くんを構成する10のキーワードの中で、一番好きな言葉を引用して締めよう。
今年も勝利くんに多くの幸せがありますように!

『センター』
佐藤勝利の存在意義。
今も昔もこれからも、ずっと大切にしていきたいもの。

引用元:MORE 2021年9月号より
https://more.hpplus.jp/odekake/entame/70164